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数学の勉強の仕方をみたら成績がわかる⁉

保護者の皆様も学生時代、数学の勉強をしたことがあるかと思います。私の周りの人たちに「どうやって数学の勉強をしていた?」と聞いてみると、

「公式や定義を丸暗記するんじゃなくて、公式の成り立ちを理解するようにしたり、定義を説明できるようにして問題を考えるようにしていた。」

という意見から

「とにかく解き方を丸暗記していた。どうしても覚えきれないものは問題の雰囲気と答えだけ覚えていた。」

というような意見までありました。みなさんはどのように数学の勉強をしていましたか?このような「勉強のやり方」は、その人が持っている「学習観」が関係しています。

「学習観」って何?

「学習観」とは、簡単に言うと「どうやったら効果的に勉強できるか?」という勉強に対する考え方です。

つまり、数学を勉強しようと思った時に「公式の成り立ちを理解することが自分にとって効果的」と考える人もいれば、「丸暗記することが自分にとって効果的」と考える人がいる、など、人それぞれ異なった学習観を持っています。

そんな学習観は、いくつかの種類に分けることができます。2006年に中学2年生を対象に行われた、数学の成績と学習観の関係の調査では、以下のように8つの学習観が提案されました。

みなさんが数学に対して持っていた学習観はどのようなものでしょうか?上で挙げた例を当てはめてみると、

「公式や定義を丸暗記するんじゃなくて、公式の成り立ちを理解するようにしたり、定義を説明できるようにして問題を考えるようにしていた。」
①「意味理解」を重視

「とにかく解き方を丸暗記していた。どうしても覚えきれないものは問題の雰囲気と答えだけ覚えていた。」
⑦「丸暗記」を重視、⑥「結果」を重視

に相当すると考えられます。

どんな学習観を持っていると成績が良い?

さて、上記の調査で数学の成績と学習観の関係がどのようになっていたと思われますか?ご想像に難くないと思いますが、

①〜④の学習観を持っている場合、数学の成績が良い傾向がある
⑥〜⑧の学習観を持っている場合、数学の成績が良くない傾向がある。
(⑤に関してはどちらとも言えない)

ということが分かりました。

一方で、2019年に高校生の英語の学習成績と学習観の関係を調べる調査では、⑥〜⑧の学習観を持っている場合でも、成績が良くない傾向があるとは言えないことが分かっています。勉強する対象の特性もあることが分かります。

内発的動機付けとの関係

保護者スクールのvol.1vol.2でも紹介した「内発的動機付け」ですが、ベネッセ(2014)の調査によると、

内発的動機付けが高い小学生は④「思考過程」を重視する学習観を持っている傾向がある

ことが分かっています。

ただ、この話を踏まえて、「子供に①〜④の学習観を持てるように言って聞かせよう!」と意気込んでしまうと、お子様にとって学習が「外発的動機づけ」に繋がりかねません。

焦らず、ゆっくりとお子様に向き合い、お子様の内発的動機づけがくすぐられる環境作りと見守る(これがなかなか難しいですよね…)ことを大切にしてください。

筆者
有名私立中高一貫校の教師で、ウィーケン!オンラインスクールのカリキュラム制作も担当。

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