自分の道を諦めない。オーダーメイドジュエリー工房「yamamoto」 (名古屋・天白) 　店長 山本健一さん

幸せに働く大人のストーリー
子育て中のお母さん、お父さんへ
自分らしくイキイキ働く大人の過去・今・未来への生き方を、ウィーケン代表の佐々木がインタビューし、”子どもが社会で幸せに生きる”ための子育てについて考えます。（インタビューの最後に特別なメッセージがあります）

第２回は「ジュエリー工房で子どもお仕事体験 ～マテリアルから学ぶジュエリー職人体験～」でお馴染み、名古屋・植田駅近くのオーダーメイド専門「ジュエリー工房yamamoto（ヤマモト）」の店長、山本 健一（やまもと けんいち）さんです。イギリスのアンティークをモチーフにした、雰囲気のあるこだわりの店舗内に工房も併設。世界で１つのオーダーメイドジュエリーは、店長の山本さんがお客様それぞれのストーリーを引き出して、製作から完成までお一人で担当されています。その温かく誠実なお人柄で、婚約指輪、結婚指輪、結婚10周年指輪、ベビーリング、お母様の思い出の指輪のリフォーム…と、ライフスタイルの一部として長年通われるお客様も。「もっと生活の一部になるジュエリーに」と、一人一人の使い心地を大切にされています。「人に喜んでもらうことが好きなんです」と笑顔で話す山本さんの、決して一本道ではなかった生き方に迫ります。

今につながる、小学生時代の原体験

佐々木： 外観から店内、工房まで雰囲気たっぷりの山本さんのお店ですが、お父様から引き継がれたんですよね？

山本さん： そうです。元々父親が始めたお店を引き継ぎ、2018年にリニューアルしました。

佐々木： やっぱり子どもの頃からジュエリー職人になろうと思っていたのですか？

山本さん： 店舗兼自宅だったので、両親が働く姿を当たり前のように見て過ごしました。宝石の値札をつける仕事を手伝ったことも。でもお店を継ぎたいと思ったのは、小学生のときで。

ある日父親が、金を手渡してきて、『作ってみるか？』と。モノづくりは好きだったので、作る過程はもちろんワクワクしたのですが、それ以上に、丸い指輪が完成したときの両親の喜ぶ顔を見て、『人に喜んでもらうのはこんなにうれしいことなのか』と強烈に感じたんです。それがきっかけでしたね。

苦渋の決断、それでも諦めなかった想い

佐々木： 小学生のときの原体験が今につながっている山本さんですが、ジュエリー職人の道まっしぐらだったのですか？

山本さん： それが全然違って。高校卒業後、ジュエリーの専門学校に通いたいと思ったところ、父親の体調が悪くなって働くしかなくなり。なんとなく公務員試験を受けて郵便局に就職することができたのですが、当時は苦渋の決断でしたね…。

佐々木： 子どもの頃からの想いが途絶えたときは、苦しかったでしょうね。

山本さん： ただ、あらゆる業界のお客様のニーズに寄り添う仕事の仕方など、20代の郵便局時代にチャレンジしたことは、いい経験になっているんです。

佐々木： ジュエリーと再び接点ができたのは、いつだったのですか？

山本さん： 郵便局で働いていた当時、やっぱりジュエリーの道も模索したいなと思って。平日の仕事が終わった夜と休日に、尊敬する先輩の工房で修行をさせてもらいました。郵便局の仕事でもチャンレジしていたので、毎日大変でしたが、とても楽しい日々でした。でもこれ、親に内緒で（笑）

佐々木： 私も経験がありますが、毎日の生活の中で自分の未来のための時間を作っていくのは、体力的には大変ですが、心はとても充実しますよね。

山本さん： そうなんですよね。結局８年以上そんな生活をして。３０代になって父親の引退が見えたとき、実はジュエリーの修行をしていてお店を継ぎたいという意思を伝えました。安定した仕事からリスクを取る仕事に代わること、それを父親は身をもってわかっていたので最初は猛反対されました。でも想いを伝えて説得して、最後にはわかったと。心の中では、うれしかったと思います。

佐々木： １０代からの想いがつながったのですね！

その人の中にある、ストーリーを引き出す指輪作り

佐々木： 人を喜ばせることが好きだ、と言われる山本さん。ウィーケンの体験でも、どうやって子どもたちやご両親にこの空間を喜んでもらえるか、どんどんアイデアを出してくれます！指輪作りでも、お客様のストーリーを引き出すことを大切にされているんですよね？

山本さん： 私は、お客様との面談〜デザイン〜製作まで、一人でやることにこだわっています。『こういうものを作りたい』と写真を持ってこられるお客様も、お話ししていくと、実は本質的には違うものを求められていたり。デザインに凝ることよりも、その人に合ったもの、その人が好きなものを一緒に探していくことを大切にしています。

佐々木： 自分がどういうものを求めているのか、実は自分ではよくわからないことってありますよね。対話している中で、気づかなかった『あ、私はこれがいいんだ！』という本質の部分を見つけたときは、本当にうれしくなります。オーダーメイドならではですね。

山本さん： 私はその人のライフスタイル、「使い心地」を大事にしているので、生活の一部になるジュエリーを作ることが多いです。つけていて心地いい、もっと日常でつけたくなる指輪作りを目指しています。

世界で１つのオーダーメイドジュエリーは、ただ喜んでもらいたいという気持ちから

佐々木： オーダーメイドって敷居が高いイメージですが、実はそんなことがないというのは、山本さんにお会いして初めて知りました。

山本さん： そうなんですよ。婚約指輪や結婚指輪、ベビーリングがイメージしやすいかもしれませんが、結婚10周年の指輪も10万円〜で、家族の誕生石を並べる方も。他に多いのがリフォームです。こちらは指輪やペンダントとも5万円〜。ご両親の想いも一緒に引き継がれたいという方が多いです。

佐々木： 山本さんの工房に愛があるなと感じるのが、製作途中に、お客様も参加できるんですよね？

山本さん： お店の中に工房があるので、一緒に研磨したり、彫刻したりもしていただけます。

佐々木： 世界にたった１つのジュエリーに、更に想いが込められますね！

山本さん： とにかくお客様に喜んでいただくのが好きなんですよ。結婚指輪を作ってくださったお客様が、こちらのお店で結婚式をされたことも。ベビーリングを作られたお客様が、お宮参りの帰りに写真撮影に寄られたこともありました。楽しくて、幸せになる空間作りにも力を入れています。

佐々木： お店で結婚式とはすごいですね！指輪というモノから始まるストーリーが広がっていくのが、この空間なのだと感じました。

経験の引き出しを増やして、自分の道を自分で拓いてほしい

佐々木： 小学生の頃の原体験が今につながっている山本さんですが、振り返って思うことはありますか？

山本さん： 今の子どもたちが大きくなる頃の社会は、今３０代、４０代の私たち親が全然想像できないものになっていますよね。だからこそ、自分の道を自分で拓けるような決断力ある子どもになってほしい。そのために、自分の引き出しを増やしてほしい。みんなと一緒、周りと一緒という価値観ではなく。

子どもの頃の体験は、一生忘れないことがあると思います。やってみて違うかもしれない、でもそれでいいと私は思うんです。ウィーケンの体験もそうですが、色々経験して、様々な人と出会う中で、自分の軸ができていくと思っています。

＜佐々木後記＞
「これからも、人に喜んでもらう仕事がしたい」と優しく話す山本さん。自分の場所で、自分の信念をもって生きている姿が、とても印象的でした。

山本さんの、”幸せに働く”
✔ 自分の心が本当に求めるものに、少しずつでもチャレンジし続ける。それが未来を引き寄せていく
✔ 目の前の一人に喜んでもらうことを続ける
✔ やってみて違っても、それも経験。それがまた新たな引き出しになる

お店紹介：
ジュエリー工房yamamoto
名古屋天白区にある創業40周年のフルオーダーのジュエリー工房
「心を込めてひとつづつ」ブライダルジュエリーやベビーリングを始めとし、お客さまとお話ししながら、店主がひとつづつ作ります。
http://jewel-yamamoto.com/

＜営業時間＞
11:00～19:00
定休日：木曜日、金曜日
電話予約優先 ： 052-802-7766
＜アクセス＞
・愛知県名古屋市天白区池場2-3214・名古屋市営バス「石薬師」停「島田」停「天白中学校前」停　徒歩3分
・地下鉄鶴舞線「植田駅」徒歩20分

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